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残業時間の上限は?残業したら残業代(手当)をしっかりもらおう!サービス残業は違法!

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今日はお仕事の『労働時間』のお話です。 

 

 知っておきたい「労働時間トラブル」解決の武器

「土日もなく働かされている……」

「毎日深夜まで働いているのに、残業手当がもらえない……」

 

こんな話をよく聞きます。

特に若い社員は、上司から命令されたら従わざるをえませんし、上司が帰る前に自分が帰りにくい、という場合も多々あるはずです。
もちろん、仕事を覚えるために必要な残業もあるでしょう。

 

ですが、何より大事なのは自分の心と体です。心身を壊してまで仕事をしなくてはならないとしたら、それはやはり問題ですし、そういったことがないように、労働基準法という「武器」があるのです。


しかし、残業代や休日出勤手当がもらえるならば、まだマシなのかもしれません。最近はそれさえ支払われず、ひたすら働くことを強要されることすらあるようです。

 

いわゆる「サービス残業」です。


特に近年、この「サービス残業」という言葉がよく聞かれるようになってきています。


もちろん、景気の問題で企業業績が厳しくなり、残業代を支払いたくても支払えない企業が増えてきた、ということもあるでしょう。ですが、実は他にも理由があるのです。

 

そもそも、サービス残業(割増賃金不払い残業)というのは、会社が、社員に残業(時間外労働、休日労働)をさせたにもかかわらず、労働基準法により義務づけられている割増賃金を支払っていないというものです。

広義には、割増賃金だけでなく、残業時間そのものを申請させない、という意味も含むようです。
ただ近年、こうしたサービス残業の請求をするケースが増えています。いわゆる「サービス残業代請求問題」です。

このサービス残業代の請求においては、ほとんどの場合、社外の専門家や労働組合が労働者から解決の委任を受けています。社外のユニオン(合同労働組合)が委任を受けるケースもありますが、多くは弁護士、特定社会保険労務士といった人々が社員から委任を受け、会社に請求をしているのです。


弁護士や司法書士の世界では、時々なんらかの「ブーム」が起こることがあります。たとえばここ数年、電車の中で「払いすぎた借金を取り戻す」といった広告をよく見かけたと思います。これは法改正により、いわゆる「グレーゾーン金利」が禁止されたためです。
これがそろそろ一段落してきて、次にターゲットとなったのが「サービス残業」だったわけです。

こうした委任により、退職した社員から、過去のサービス残業代を請求されるようなケースが激増しており、対応に苦慮する企業が増えているのです。

(サビ残させる企業が悪いんですけどね)

 企業にとって「サービス残業代請求」が脅威となる?

これは、企業にとってはかなりの脅威です。
というのも、未払い残業代は、労働基準法の規定により、過去二年間分をさかのぼって請求することができるからです。

たとえば、月給20万円の社員に毎日2時間のサービス残業をさせていたとします。

1日2時間とはいえ、2年間となると約150万円にものぼります。

しかも、それだけではありません。労働基準法により、未払い残業代と同額の付加金も請求できるのです

労働基準法第114条

第114条
裁判所は、第20条第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第6項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から二年以内にしなければならない。

労働基準法第114条 - Wikibooks

 


付加金の支払い義務は、その支払いを命ずる裁判所の判決が確定しないと発生しません。とはいえ、もしその判決が確定すれば、先ほどのケースなら、企業は合計で300万円を支払わなくてはならないわけです。
もしそんな社員が10人いれば3000万、50人で1億5000万円にも及びます。

おそらく、多くの企業が今、戦々恐々としていることと思われます。

(何回も言いますが、サビ残させる企業が悪いんですけどね)

これは、労働者の立場の人からは、ある意味心強いことではあります。ただし、もしそれで会社が潰れてしまってはどうしようもありません。


そんな事態になる前に、労働基準法の知識を元に労働時間の問題を解消しておくことが、社員にとっても会社にとっても賢い選択です。

 ほとんどの問題を解決できる「大原則」

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さて、この労働時間問題についても、賃金同様、知っているだけで多くの問題が解決する「大原則」があります。

以下、ご紹介していきましょう。

①法定労働時間は1日8時間、1週40時間と決められている

労働基準法32条で、使用者は、労働者に原則として、1日8時間、または1週40時間を超えて労働させてはならないと定めています。

労働基準法第32条

 

条文[編集]

(労働時間)

第32条  
  1. 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
  2. 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

    労働基準法第32条 - Wikibooks

 


とはいっても、多くの人は「あれ、自分はもっと働いているぞ?」と思うかもしれません。そう、だからこそ「残業」が生まれるのです。

②法定労働時間を超えたら「時間外労働」になる

法定労働時間を超えた労働は時間外労働、いわゆる「残業」となります。この「時間外労働」という言葉もぜひ、覚えておいてください。

ただし、使用者が社員に時間外労働や休日労働を命ずるためには、事前に使用者と、その職場の全社員が選出した過半数代表者とで時間外・休日労働に関する労使協定を締結して、それを労働基準監督署へ届け出なければなりません。


この時間外・休日労働協定のことを、俗にサブロク(三六)協定といいます。労働基準法36条において、会社は協定を結ばずに社員に残業をさせてはいけないとされているからです。

労働基準法第36条

 
 

 

条文[編集]

(時間外及び休日の労働)

第36条  
  1. 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。
  2. 厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
  3. 第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
  4. 政官庁は、第2項の基準に関し、第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。

    労働基準法第36条 - Wikibooks

 


これだけでも、残業に対する認識が変わるのではないでしょうか。

つまり、本来の労働時間は8時間なのに、特別に協定を交わして残業が認められている、と考えれば、当然のような顔をして残業を命じる会社に対して、

「ちょっとおかしいのでは?」と言うこともできるはずです。

さすがにサブロク協定を結ばずに残業を命じている会社はあまりないと思いますが、サブロク協定のことを知らな い上司はいるはずです。

そんな上司に対する牽制として、「当然、サブロク協定はご存知かと思いますが……」などと、口に出してみても面白いかもしれません。

③時間外労働には割増賃金が発生する

また、時間外労働には25%以上の割増賃金を払うことが会社に義務づけられています(労働基準法37条)

労働基準法第37条

 

条文[編集]

(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

第37条  
  1. 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
  2. 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
  3. 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
  4. 第1項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。 

労働基準法第37条 - Wikibooks

 

さらに近年、1カ月60時間を超える時間外労働については、中小企業を除き、割増賃金を25%から50%に引き上げるというルールも制定されました。

あるいは、このアップ分25%の支払いに代えて、会社独自の有給休暇を与えることでもよい、ということになっています。
このあたりのルールがしっかり適用されているかどうか、一度確認してみてもいいでしょう。

④時間外労働には限度時間がある

では、サブロク協定を結び、割増賃金をしっかり支払えば、会社は無制限に残業を命じることができるかといえば、そんなことはありません。


時間外労働については限度時間(1カ月45時間)が設けられています。

逆に言えば、この45時間を超える残業は違法ということになります。


ただ、先ほど割増賃金について説明した際に、「1ヶ月60時間を超える時間外労働については、割増賃金を25%から50%に引き上げる」というルールについて説明しました。

そもそも、1ヶ月60時間を超える時間外労働は違法なのでは、という話になります。


これについては、サブロク協定に「特別条項」を定めた場合は、6ヶ月間(多忙期)については、特例として、1ヶ月に労使が自主的に定めた限度時間まで認められるのです。
ただし、それにもちゃんと限度があります。1つの基準が「100時間」です。

時間外労働の時間が一カ月に100時間を超えていて、その労働者が申し出た場合には、会社は産業医による健康指導を行い、必要な業務軽減措置等を行わなければなりません。

 

また、いわゆ「過労死」の認定基準も、発症前6ヶ月間に1ヶ月間の時間外労働が100時間を超える月がある、または発症前2~6ヶ月間の1ヶ月平均でおおむね80時間を超えていた場合には認定されることになります。

もし過労死が認められ、遺族から損害賠償請求訴訟を起こされた場合、会社は1億円ものお金を支払うことになります。

というか、そこまで追い込まれる前に、年次有給休暇を確実に取りましょう!

 ⑤深夜に働いたら「深夜労働」となる

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そして、意外と見過ごされがちなのが、「深夜労働」です。
時間外労働とは別に、午後10時から翌朝の午前5時までの時間に労働をした場合、「深夜労働」として25%以上の割増賃金が支払われる、というものです。

つまり、残業(時間外労働)を深夜の時間帯に行ったら、時間外労働の割増賃金である25%分と深夜労働の割増賃金25%分とを合わせて、50%の割増賃金がもらえるということになるのです。

また、時間外労働でなくても、深夜労働ではある、ということもありえます。たとえば所定の勤務時間が夜の10時から朝の6時まで、といったような場合です。


これらの5つの条件に照らし合わせれば、多くの労働時間トラブルは解決するはずです。割増賃金をつけずに残業や深夜労働をさせるのが違法なら、上限を超えた時間まで労働を強要することも違法です。

それを隠すために、正確な勤務時間を会社に報告させなかったりすれば、なお問題です。

「特例」としての働き方もある

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ただし、これらはあくまで「通常」の勤務時間制です。近年、これとは違ういろいろな働き方が現れてきました。
たとえば「変形労働時間制」や「フレックスタイム制」、あるいは「裁量労働制」といった「みなし労働時間制」などというものです。


これらはきちんと利用すれば、労働者にとっても会社にとっても有益な制度なのですが、ときに残業減らしなどに悪用されることもあります。

それだけに、その制度の本質をしっかりと理解しておく必要があります。
まず、「変形労働時間制」とは、特定の日または週に、法定労働時間の枠内を超過することを認める制度です。

 

忙しいときに法定労働時間を超えて働いても、ヒマなときに労働時間を短縮したり休日にするなどして帳尻を合わせられる仕組みです。

 

たとえば、「変形労働時間制」の中では、1ヶ月変形制というものがもっともポピュラーなのですが、この制度を導入した企業は、労働者をある1日に8時間を超えて働かせても、1ヶ月間で1週平均40時間以内であれば時間外労働とはみなされず、時間外・休日労働協定の締結と割増賃金の支払いは必要ありません。


これらは、仕事にメリハリを持たせることもでき、労働者にとっても悪くない制度ではあります。

 

次に「フレックスタイム制」ですが、始業と終業の時間に幅を持たせ、社員一人ひとりが自分の都合に合わせて出社・退社時刻を決められるという仕組みです。

本当に必要な時間のみに勤務してもらうことができるということで、会社にとってメリットがありますし、社員にとってもラッシュを避けられるなどのメリットがあります。

 

そして最後が「みなし労働時間制」です。「労働時間の算定には、実際に働いた労働時間にかかわらず、労使協定で、その業務を遂行するのに必要とされる定めた時間の労働をしたものとして取り扱う」というのが、その定義です。


なので、たとえばそのみなし時間が9時間だとすれば、1日5時間しか働かなくても、逆に10時間以上働いても、9時間労働とみなされ、残業代は1時間分、ということになります。
このみなし労働時間制のうち代表的なものが「裁量労働制」です。
こうした制度が取り入れられた背景には、その業務にかけた時間と業務の成果とが必ずしも結びつかないケースが増えてきている、ということがあります。


もし、こうした働き方を提案された場合、それが自分にとって本当にいいことなのかどうか、精査する必要があるということです。

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 まとめ

これらを踏まえると、多くの「労働時間のトラブル」が解決する一方で、これらのルールがあるからこそ、会社と労働者の間でトラブルが発生する、ということも、おわかりいただけるのではないかと思います。


つまり、会社としては所定労働時間以上に社員に働いてもらいたい。

 

でも、所定労働時間以上に働かせると、社員はOKでも割増賃金を支払う必要が生じたり、労働基準法の時間外労働の限度基準に違反してしまう。

だから残業はなかったことにせざるをえない……。

 

こうした会社の立場もわからなくはありません。

ですが本来、ルールを守りながらどうやって業績を上げるかを、会社は考えるべきですよね。そのツケを社員に押しつけるのは明らかに間違っています。
労働基準法の知識を武器に「おかしいことはおかしい!」と指摘すべきです!

 

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